唐紙とは

唐紙はその名の通り、平安時代に中国の唐から伝来しました。当時、唐紙は上流貴族の間で和歌や手紙を書く料紙として使われてきました。唐紙は字をきれいに見せる紙として浸透していきました。安土桃山時代ごろから襖としての使用が盛んになり江戸時代には町方庶民にも浸しまれ、今でも襖壁紙として室内装飾に幅広く用いられてます。

弊社の唐紙の特徴は刷毛で紙を染める『具引き』グラデーションに染める『ぼかし上げ』版木で模様を写し取る『版木押し』型紙を使って模様を写し取る『更紗』、また金銀の箔を使った『箔押し』など、多彩な技が特徴です。


光琳水

光琳水

尾形光琳作、国宝『紅梅白梅図屏風』の中心に流れる水の流れを唐紙に再現された模様です。

唐紙の材料と道具


鳥の子紙

鳥の子紙(とりのこし)は唐紙襖でよく使われる紙です。その歴史は古く、平安時代に斐紙(ひし)と呼ばれた雁皮紙が南北朝時代に鳥の子紙と呼ばれるようになりました。文安元年(1444年)成立の「下学習」では、「紙の色 鳥の卵の如し 故に鳥の子というなり」と説明されております。当時、鳥の子紙は詠草料紙(えいそうりょうし)や写経用紙に用いられていました。唐紙は詠草料紙の技法なので、鳥の子紙を使用してたと考えられます。

水干

水干(すいひ)は日本画で良く使われる顔料の一種です。天然の土、または胡粉や白土に染料で色を付けて作ります。伸びが良く唐紙との相性がとても良いです。

雲母

雲母(きら)は唐紙で良く使われる顔料の一種です。独自の光沢があり、上品に輝きます。

胡粉

胡粉(ごふん)はホタテや牡蠣の殻を焼いて粉末にしたものです。白の絵の具として使いますが、また水干(すいひ)と混ぜて、多彩な色を出すために使います。

布海苔

布海苔(ふのり)は海藻の一種で、絵の具の接着剤として用いられます。
一晩水に浸し、ゆっくり30分程煮て、丁寧に濾して不純物を取り除いて糊になります。

木版

唐紙の版木は手で摺るために彫りが深いのが特徴です。本来唐紙の版木は47×30㎝くらいのものが主流でしたが、東京の唐紙の版木は関東大震災と戦災で焼失し、幅が90cm以上のものに彫りなおした点がが大きな特徴です。珍しい版木として、切り餅という物もあります。小さな版木組み合わせることにより、様々なデザインを生み出すせます。

篩

篩(ふるい)は唐紙独特の道具です。まげわっぱの職人にわっぱの部分の製作を依頼し、持ち手は自分達で付けます。布に関しては、寒冷紗、又は絽(絹織物の一種、ろ)使います。

刷毛

刷毛は唐紙制作にとってとても大切な道具です。大小様々あります。具引き、水引、糊、丁字など用途によって使い分けます。

技法紹介


版木押し

版木押し

篩(ふるい)で版木に絵具をのせて手で摺る。唐紙師のもっとも代表的な技です。

更紗

更紗

柿渋で固めた型紙で模様を付ける技法。版木に比べくっきりとした仕上がりになります。

具引き

具引き ぼかし上げ

刷毛で紙を染める技法です。また、ぼかし上げ(グラデーション)も刷毛で行います。ぼかし上げは関東独自の技です。